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18-2.一文字の間違いで3百年未解決 [18.倭の五王を解く]

系譜で合致しなかったのは、新年表より履中天皇と定めた珍が、宋書では仁徳天皇と定めた讃の弟となっているが、日本書紀では、履中天皇は仁徳天皇の子であり、「弟」と「子」の違いがある点である。応神天皇から雄略天皇までの系譜は次のようになっている。          

                          |--履中天皇
                          |
  応神天皇-----仁徳天皇--|--反正天皇                                                |             |--安康天皇                                   |--允恭天皇---|                                                                         |--雄略天皇 

「讃が死し弟の珍が立った」記述と「興が死し弟の武が立った」記述を、宋書の原文で示す
死弟遣使貢献 自稱使持節都督倭百済新羅任那泰韓慕韓国諸軍事安東大将軍倭国王」
死弟立 (空白はない)自稱使持節都督倭百済新羅任那泰韓慕韓国諸軍事安東大将軍倭国王」
  
二つの文章は、黄枠の所を除けばまったく同じであり、両方の文章の間には155文字・6行あるだけ、ミスが発生し易い状態にある。本文作成の途中、原稿からの書き写し時、あるいは写本の途中で、「讃死珍立」と書くべき所が、六行後ろの「興死武立」の影響を受けて、「讃死珍立」と、「子」と「弟」とを間違ったのではあるまいか。 

人間は「ミス」をするものだと考えていた方が間違いない。特に同じような繰り返しの作業の中で、少しだけ異なった所があるときは、思い込みによるミスの発生がおおくなる。歴史の文献を、全て金科玉条のように、正しいとしてしまっても、歴史が歪曲される場合もあるだろう。しかし、間違いがどこかにあると言って、自分に都合の良い所を「転記ミス」としたのでは、どんな説でも正解になってしまう。私は史書の文章を「転記ミス」として勝手に変えたくない。それがあったからこそ、邪馬台国が日向にあった事や、日本書紀に隠されていた元年表を見つけ出すことが出来た。しかし、宋書の「讃死弟珍立」の「弟」の一字だけは、「子」の間違いだったとする

「倭の五王」の証明において、「弟」一文字を「子」に書き替えなければならなかったのは残念なことであった。しかし、「倭の五王」関する中国の史書が、全て正しく記載されていたならば、江戸時代から現在に至るまでの300年間、倭の五王が特定出来ず、諸説が入り乱れる事はなかったであろう。
 

崩御の年で倭の五王の条件に合わなかったのは、武と特定した雄略天皇であつた。新年表では雄略天皇が崩御したのが486年、ウイリアムスの条件では武が崩御したのが502年以降になっている。ウイリアムスの条件は、梁書・武帝紀に「天監元年(502年)四月戌辰。鎭東大将軍倭王武、號を征東将軍に進め」とあるためである。梁書・武帝紀の502年の記述は、倭王だけでなく、百済王・高麗王についても位が上がったことが記載されている。 

梁書・武帝紀では百済王に「鎭東大将百済王餘大、號征東将軍に進め」とある。百済王餘大は、東城王の「牟大」の事である。牟大は501年に崩御しており、502年の朝貢はないと考える。502年に建国した南朝の梁は、北朝の北魏を意識して、高句麗・百済・倭国などの外藩諸国といかに册封関係を築くかに腐心していた。そこで外藩諸国に対して、前王朝の斉の時の位から一方的に昇進させたと考える。だから、百済国や倭国では、その位を上げた王はすでに亡くなっていたのである。これが雄略天皇を「武」としたとき、486年の雄略天皇崩御の年と、ウイリアムの「武」の崩御の年の条件とが合わない理由である。

それにしても、私の新年表が非常に精緻で、宋書に書かれてある倭の五王の記述と、あまりにもピッタリ合致する事に驚きを禁じ得ない


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コメント 2

野暮用人

あの、弟と子の字に変えないでください。いくら記紀の記述に対応してないからといっても、それじゃあ原文改定ありきですよ。それから、゛使物節督”になってますが、゛使持節都督”ですよ。それに中国の官位を受けた記録は記紀にはないです。やはり別の王朝でしょう。
by 野暮用人 (2014-07-01 18:33) 

t-tomu

ご指摘ありがとうございます。「使物節督」は「使持節都督」でした。ミスの問題を取り上げながら、ミスをしているとは、文章の信頼性を損ないます。早速、修正させていただきました。ただ、本文の主旨は変わらないと思っています。
by t-tomu (2014-07-01 21:53) 

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